イベント_010_暁の闘拳

『トム・ディフェンス・ウィークリー』2056年第1期
【軍用装備の民間化傾向についての報告】
【省略】
【元は軍事訓練に使われていた設備が、多くの技術を簡略化させた状態で、スポーツ業界や民間のフィットネスクラブなどに投入されている。スヴァローグ重工が2055年にリリースしたAAT型人形は、パーツの約70%は軍用人形と同じものが使われている一方で、プロのスポーツ選手の訓練サポート向けに、最先端の痛覚模擬システムを搭載している】

・痛覚模擬システム？面白い

『ザ・アリーナ』2056年3月号
【合法化のマイルストーン？元違法ボクシングの王者がボクシングクラブを開設】
【サンタ・カルロス違法ボクシング業界の風雲児、「ファンキーハウンド」の通り名で知られるジョセフ・イノウエは、新たなボクシングクラブの結成を宣言。国際的なプロボクシングの試合への参加を目標としている】
【暫定クラブ名は「ファンキーハウンド」、すでにいくつかの企業をスポンサーにつけており、企業はクラブに1体のAAT型自立人形を贈呈】

・彼女をマルタと呼ぶか

『ザ・アリーナ』2056年8月号
【鋼の咆哮！プロボクサー人形VSサイボーグ人間】
【サンタ・カルロスのボクシングクラブ「ファンキーハウンド」出身のボクサー人形マルタは、クラブ内の訓練で人体改造を施したボクサー「クルーザー」に勝利した。Theytubeにアップロードされた関連動画は、一晩で100万再生を記録。一時はストリーミングプロジェクトのオフィシャル生配信のリスナー数をも超越した】
【それまでのクラブトーナメントでは、技がえげつないことで有名な「クルーザー」選手が不敗の記録を保持していた】

【動画03:12/12:17】
マルタ：それなら、ここで証明してもらおうじゃないか。誰が最強のボクサーなのかを。真のボクサーは、自らの意思でアリーナに立ち、拳を振るうものさ。

・拳を振るうのは君か、それとも？

『デイリー・ガラス』2056年9月22日
【保安部隊と武装組織の衝突がますます拡大。17日午後、サンタ・カルロスで両組織が対立して以来の、過去最大規模の襲撃事件が発生。武装組織が教会広場を爆破、100名近くが犠牲となった。中には「ファンキーハウンド」ボクシングクラブのメンバー、ロドリゴも含まれる】
【保安部隊が緊急命令を発令、クラブやバーなどでの活動をすべて中止するよう呼びかけた】

ジョセフ・イノウエ：クラブメンバーに北へ向かう列車のチケットを用意した。今日中に荷物をまとめて出発しろ。俺はここに残って、故郷のために戦うさ。
Cuando ese día llegue nos encontraremos de nuevo.
マルタ、お前も皆と行くんだ。

・故郷のために……

『デイリー・ガラス』2056年10月5日
【チャンピオンが衝突中に死亡】
【サンタ・カルロスでの襲撃は、数日も経たぬうちに全面戦争へと発展していった。武装組織が首都エリアに集中砲火を浴びせる中、「ファンキーハウンド」の通り名を持つ同名のボクシングクラブ経営者の元チャンピオン、ジョセフ・イノウエが犠牲となった】
【「ファンキーハウンド」クラブはジョセフ・イノウエの葬礼を執り行い、クラブの一時的な解散を宣言。一部のメンバーはクラブを後にした。「マルタ」と呼ばれるAAT型人形の行方が話題となっている。噂ではジョセフ・イノウエが事前に次の所属先を手配していたそうだが、一部の情報によれば「マルタ」はアクシデントに見舞われたらしい】

・波乱の時代には、人ひとりの運命など飄然たるものだ

【？？？？】
「あれが噂の、50連勝していたクルーザーを倒したという女か？ただのトレーナーにしては、なかなかやるな…」
「クルーザーを引き入れようと考えていたが、戦争でやられてしまうとは。ちょうどいい、クルーザーを倒した女に金をありったけ巻き上げてもらうとするか。しかもコストはゼロだ。なにせ、行くあてのないただの人形だ…」
「新しい名前を考えたある。マグニルダだ」

・マグニルダ、Magnhilda。意味は「強靭な女戦士」か？

『マンスリー・ケントン』2056年12月8日
【近年、多くの国が次々と闇格闘試合の禁止令を発表したが、効果は微々たるもので、逆に試合関連の殺傷事件が多発し始め、さらには金儲けを目的とした非合法格闘組織が数多く出現。今や混乱の真っ只中にあるサンタ・カルロスでは、闇ボクシング試合が巨大な産業リンケージを形成している】
【一部の社会評論家、例えば元ヘビー級プロボクサー、現映画スターのジョー・クレイなどは、一方的に禁止するよりも、対策を講じて規範化を目指したほうが適切と述べている。彼は人間の代わりに人形を出場させるハイリスクトーナメントを提案。その名も「願拳」】

・押して駄目なら引いてみる？慎重に考えるべきか

【戦場ジャーナリスト、トンプソンの日記】
【2057.01.03】
「昨日、マグニルダとぶつかった奴、もはや人間の形をしてなかった…」
「どこで捕まえたのか知らないが、巨大化したE.L.I.D.感染者がコート型のサプレッサーに押し込まれ、帽子をかぶせられて、凄まじい唸り声を上げていた。周りの観客は放射線が防護服を突き破るんじゃないかと恐れていた。リングの上と下が同じくらい青ざめていたな。客たちは世にも強烈な光景を、今か今かと待ちわびていた」
「だがマグニルダはE.L.I.D.感染者を倒した。体を切り刻まれようと、相手が分厚い防護服を着込んでいようと、彼女には関係ない」
「マグニルダの雇用主、サンティノと胴元どもは大金を手に入れた。だが彼女に渡ったのは紙幣が数枚、それと修理用の劣悪なパーツだけだ」

・彼女はいずれ、ここを離れるだろう

「製品コード：AAT」
「素体コード：SSC-MGLBX001」
「製品シリアル番号：MA420117」
「アクティベート時刻：2054.12.07」
「製品名：Maghilda」
「メンタル活性度：70%」

「AAT、CALL NAME：マグニルダ……機体適正率55％、ハードのメンテナンスを推奨します。システム認証一部クリア」

「サンティノのデスアリーナへようこそ！」
「欲しいのは刺激か、富か？ここはうってつけだ！」
「金という金を注ぎ込んで勝機を狙え！」

・好機逸すべからず！
・見るからに怪しい

「今夜のは命知らずだ、手加減ってものを知らん」
「あまり痛めつけるな、わざとらしい負けもだめだ」
こんなことはしたくないが…

・体力が尽きるまで防御し続ける
・攻撃をしかけてミスしたふりをする

賭けに負けたギャンブラーたちに道を塞がれた。
「ふざけんな！最新型の人形じゃねぇのかよ！？」
「この恥知らずが！」
「俺たちの金を返せ！」

・拳を振り上げて脅す
・黙って裏口から立ち去る

さすがは「願拳」のエントリー会場、大盛況だ。
人が山のようにいる。まずはどこへ向かおう？

・申請資料を用意する
・エントリーシートを受け取る
・一番長い列に並ぶ

審査を通過、これで「願拳」試合に出場できる。
このチャンスは絶対に無駄にできない！
さて、どう準備する？

・スパルタ特訓を行う
・英気を養う

訓練場の器材が足りないせいで、奪い合いが多発。
マグニルダもよく人間に難癖をつけられる。
「おいお前、間違えてるぞ。ゴミ処理場は一つ隣だ」

・誰がここのボスなのか思い知らせる
・負け犬に吠えさせておく

「サンティノご自慢の人間が出場するらしいぞ！」
「相手の負け続きの不良品、火を見るまでもない」
「どうだ、賭けてみないか？」

・人形が負けるとは限らない
・人間が勝つに決まってる

相手の攻勢が凄まじい。
よりにもよって、こんな時に古傷が……
どうする、マグニルダ？ここで倒れるのか？

・ダメージに耐え、反撃の機会をうかがう
・時間を稼いで態勢を立て直す

「赤が倒れた！観客の声援は激しくなるばかり！」
「立てーーッ！マグニルダ！諦めるなーーッ！」
お前を倒せない者は、お前を強くする！

・全員の最大HP10%文と引き換えに、上のモジュール一つをランダムに獲得
・つまづくたびに強くなる。二度と倒されはしない！

ヴィーは重傷を負ったマグニルダを検査した。
「パーツはどれ一つとして原型を留めてないね。どれだけ酷い目に遭ったんだろう……」

・肝心なパーツを修理してみる
・応急処置を施す

「すまない、だがこれ以上迷惑をかけるのは…」
「気にしないで、その状態じゃ動けやしないし」
「ここで一晩休んで行きなよ」
「あ…ありがとう」

・そのまま眠る
・ヴィーと自分の体について話す

昨日のマグニルダの毅然とした戦いぶりは、録画で拡散されたことで話題を呼んだ。
「戦いぶりをもっと見たいと大勢が言っているぞ」

・ありがとう、頑張るよ
・立ち去る

数年前、ファンキーハウンドにて。
スヴァローグ重工からやってきたAAT型自立人形。
今夜の訓練試合は、功名が辻となるかもしれない。

・最大効率だ！
・まずは試運転だ

ファンキーハウンドは合法ボクシング専門クラブ。
八百長を働けば破門、訓練試合はトップクラス。
とくにあの人形、彼女の戦いはあまりにも華麗だ。

・有名なプロボクサーを見学に招こう！
・ネットで動画を配信し、全世界に実力を知らしめよう！

戦火の砲火がサン・カルロスの静けさを破った。
ファンキーハウンドは解散、列車に揺られる人形。
「栄光を途絶えさせやしない…絶対に」

・身分を隠してチャンスを待つ
・自ら次のボクシングクラブを探す

サンティノ。
違法ボクシングの主催者であり、マグニルダの所有者。
残酷な戦いを好む悪人。
勝手に「願拳」にエントリーしたと知られたら……？

・相手をおだてて許可してもらう
・キーを隠してすっとぼける

願拳に申し込んだのは、初めは単なる現実逃避。
でも今は違う、願拳のおかげで仲間ができた。
背負うべき屈辱と栄光を呼び覚ますことができた。

・ヴィー、あたいに……未来へ立ち向かう力を！

「ボコられて失踪してたゴミ人形じゃねェか」
「夜中の訓練場に何の用だ？」
「素体が変わってら、俺らにゴミ分類でもしろと？」

・へぇ、あたいとやろうってのかい？
・リバイバル試合が終わったら、次はお前だ

リバイバル試合の前に十分な調整を行って、素体のコンディションをベストにしなければ。
ヴィーにどの方面を調整してもらおう？

・素早さを強化
・パワーを強化

せっかく整形するんだもの、イメチェンはどう？
大丈夫。気に入らなかったら、すぐにもどせるから。

・ロングのストレートヘアなんてどうだろう
・入れ墨がいいな
・立ち去る

ヴィーの手術室には大小様々な仮面がある。
初めてここを訪れた者は驚愕するだろう。
「すべて非売品、私の仮面をプレゼントしようか？」

・いいね、部屋に飾っとくよ
・遠慮しとく……

記者とメディアがマグニルダの人気に着目した。
「粘り強い戦いの人形選手が装いを新たに登場！」
「何かカメラに向かって言いたいことは？」

・あたいの勝利をその目に刻みな！

素体が大ダメージを受け、メンタルが遠のく。
視界が朧げになるが、叫び声は鮮明になってくる。
「立て、マグニルダ！」
あぁ…これで二度目か…

・あんたらの励ましを連れて、あたいの栄光を取り戻す
・立つんだ、マグニルダ

【2056.10.16】
「あの女がリングにもう一度立ち上がった時、顔が団子のようにねじ曲がっていた。それにあの表情……思い出すだけで、こちらまで痛くなってくる」
「なるほど……AAT型だったのか。人間と同じように痛みを感じているわけだ」

・それでもマグニルダは幾度となく立ち上がった
専用プロトコル【アイアンライノ】を獲得：最大HP+100%

【2056.11.03】
「マグニルダをどう言ったらいいだろう」
「人形だ、それも軍用素体を基にした。だが世間が思うような――恐ろしい怪力を持ってるだとか、尋常でなく素早いとか、そういうわけではない。向かうところ敵なしなどとは、とても言えない」
「彼女にできることは、可能な限り人間の戦い方を模倣することだ。彼女の素体には極限がある。傷はつくし、痛みも感じる。それに血だって……当然、血は偽物だが。彼女だって恐怖を感じることはある。だが必ずそれを克服するんだ、歴代の戦士たちと同じように。さっき述べたように、彼女の存在は人間の戦い方を真似るためにある」

・それが彼女が勝利し続ける理由だろう
専用プロトコル【艦隊殲滅】を獲得：攻撃力+50%

【2056.12.31】
「サンティノさんの言う『年末パーティー』というのは、ボクサーと最悪な方法で生み出されたキメラを戦わせることだ」
「人間と人形ならまだ手加減いようもあるが、キメラはそんなことお構いなしだ。それに観客も、最も凄惨な光景から得られる刺激を渇望している」
「想像もしたくないな。ボクサーなんて粉々になるんじゃないか？」
「そう。多くのボクサーが、そうしてわけもわからず命を落としていった。ただ一人、マグニルダを除いて。彼女はキメラを倒した、自身の片腕と片足を犠牲に。その時は修理に2週間もかかった」

・彼女はいくつもの傷を今日まで背負ってきた

【2057.2.1】
「休憩室に、また知らない奴らが増えた。行き場のない難民と主のいない人形たちは、いとも容易く闇ボクシングに染まってゆく」
「こいつらのおかげで、マグニルダの荷も少しは降りるかもしれない。だが、彼女が喜んでいるようには見えない。眉を寄せて、結局は全部一人でノックアウトしてしまう」

・「こんな闇の世界で命を賭けてほしくない、誰にも」、彼女はそう言った
専用プロトコル【リングボム】を獲得：会心率+30%

【2057.2.18】
「あのモヤシとかいう人形が、昨日リングでスクラップ寸前にされた。今日、サンティノさんの手下が修理室からモヤシを引きずりだした」
「サンティノさん曰く、価値を創り出せないものは、存在する意味がないのだそうだ。マグニルダはそれを必死に止めようとした。だがしばらくして、外から爆発音が聞こえてきた」

・人形は快楽を求めるための道具に過ぎない、こと地下闘技場においては
専用プロトコル【アイアンライノ】を獲得：最大HP+100%

【????:#????】
【Ultilifeデータベース登録完了、録音を再生】
「素体は満身創痍、内部構造も回路も完全にイカレちゃってる。パーツはどれも粗悪品ばかり」
「まったく…人形素体の修理なんて、私にできるわけないのに。傷を消して顔や皮膚を元通りにするのは簡単だけど…」
「…でも、この傷があるからこそ、彼女は『マグニルダ』なんだ」

・傷の一つ一つに物語が刻まれている
専用プロトコル【艦隊殲滅】を獲得：攻撃力+50%

【????:#????】
【CM-JRNLSTデータベース登録完了、録音を再生】
「たは～っ！トンプソンさんの潜入インタビューがなかったら、マグニルダさんがこ～んなレジェンド級な過去を背負ってただなんて、考えもしませんでしたぁ～っ！映画1本作れちゃいそうですも～ん！うーん…その過去っていうのがですねぇ、か・な・りヒサンなわけなんですけどぉ～…ゴホン、もう少しマジメな感じで行ったほうがいいのかな？」
「あの黒澤スタジオにいた人形脚本家さんに、シナリオをお願いするって手も…って、いやいやいや、ウィロウちゃんってば飛躍しすぎ～！」

・君の意見には全面的に同意する
専用プロトコル【戦場ハリケーン】を獲得：攻撃速度+50%

【????:#????】
【OASISデータベース登録完了、録音を再生】
「いつか、もう一度サンタ・カルロスの大地を踏んでみたいんだ。たとえ戦争で跡形もなく踏み躙られていようとね。あたいも昔は、栄光や傷を背負ってたものさ。それにこうして、暗闇の廃墟から再び立ち上がれた。もしかしたら、あの場所に再び陽が昇ることだってあるかもしれない」
「サンタ・カルロスが、君の故郷なんだね」
「ああ。あたいのこの力で、直してやりたいんだ。『ファンキーファウンド』クラブの奴らと、それからここで出会った新しい仲間たちと一緒にね。もちろん、あんたもんだ」

・Te lo prometo……そう言うんだっけ？
専用プロトコル【リングボム】を獲得：会心率+30％